2010年08月11日

愉気と過ごす日々

愉気はもともと、気を輸るという意味で、「輸気」という漢字で書いていたそうです。

しかし、雑念や心配の気持ちを気に乗せて相手の身体に送ってはいけない、明るく、澄んだ、陽気な、愉しい気を相手に伝えていこうということで、「愉気」と改められたそうです。

愉気についていろいろと書いてきましたが、説明が細かすぎて「やっぱり愉気は難しい」と思われた方がいらっしゃるのではないかと思います。

確かに愉気は奥が深いです。

技術として追求しようとしますと、どんなに経験を積み重ねている先生でも、この愉気の深みはなかなか簡単に極められるものではないと思います。

もちろん、私のレベルもまだまだ未熟で、日々修行です。

ですが愉気というのはある反面、愉気の特性からしまして愉気の経験はさほど必要でもないのです。

どういうことかといいますと、もともと愉気とは知識と経験で行なうものではなく本能で行なうものだからです。

たとえば、小さい子供さんに愉気をする場合、私が愉気をするよりも、子供さんのお母さんの愉気の方がよく通る場合もあります。

それは、私には敵わないお母さんの深い愛情、そして子供さんのお母さんに対する信頼があるからで、愉気には知識や経験を乗り越えてしまう側面もあるのです。

私は愉気の難しさをお伝えしたいのではなく、ぜひご家庭の中に、ご家族の健康のために、愉気を日々の中に取り入れていただけたらと思うのです。

実際のところ、この文章だけではなかなか伝わりにくく、実技を踏まえなければイメージが湧きにくく実感がもてないと思います。

ただあまり深刻にならずに、気軽な気持ちで、「なんとなく気になるところに手を当ててみる」ということから始めてみてもよいと思います。

手を当てているところに意識を向けて、ゆったりと静かに呼吸をすればよいのです。

手のぬくもりを相手に伝えていくようなつもりでゆったりと呼吸するだけでよいのです。

私の整体室に来てくださっている方は、どうぞご質問ください。

「気」というものはとても面白いもので、お互いの身体を共鳴する特性があり、相手の身体に手を当てているだけで自ずと「気」の感応が起こり、たとえ手を当てているポイントが相手の身体が要求しているポイントではなくても、つまり身体のどこに手を当てても、愉気によって互いの身体が感応し合うとお互いの身体の働きが活発になり、元気になるのです。

身体のどこかに痛みを抱えている人でも、慢性的な症状がある人でも、ただ単に疲れているだけの人でも、ぜひお互いに手を当て合ってみてください。

人に手を当てられるのは想像以上に気持ちの良いものです。

愉気を受けている最中に眠ってしまう人がよくいますが、それほど心地よいものなのです。

繰り返し言いますが、愉気は誰にでもできます。

赤ちゃんに触れるお母さんの手は愉気に溢れています。

お母さんに抱きつく赤ちゃんの手も、やはり愉気に満ち溢れています。

そういう手に触れられるだけで、心は和み癒され、身体も弛むものです。

あまり難しく考えず、構えず、気楽に楽しく、優しい、幸せな気持ちで、ぜひ愉気を日々の暮らしの中に取り入れてみてください。


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Posted by 心羽 at 19:30Comments(0)愉気法

2010年07月29日

愉気の心得

 愉気をするときの心は、『天心』の状態でなければいけないとされています。

『天心』とは嫉妬や怒り、気張りなど、日常の煩雑な心で曇っていない、赤ちゃんのような純粋で澄んだ素直な心のことをいいます。

どんなに荒天でも、雲の上はいつも晴れているものです。

心が乱れているとき、深く静かな呼吸をして心を落ち着かせることができれば、いつでも天心を取り戻すことができます。

愉気における相手の身体の悪い処に思わずパッと手が出てしまう、そういう無意識で本能的な直感というのは、何も雑念のない天心のような意識状態から生まれやすいのです。 

野口先生の教えの中で、「障子越しの陽の光のような愉気がよい」という口伝があります。

これは整体の稽古中によく言われる口伝なのですが、天気のよい日に障子越しに差し込んでくる陽の光、あのほんわかとした穏やかなイメージの感覚で、愉気を行なうのです。

その他の余計な感情は流入しないようにします。

ですから、「相手は**病だから、ここに手を当てるべきだ」とか、「早く治してあげよう」という意図や「なんとかして治してあげたい」という感情も愉気の世界においては余計なものとなります。

「治るだろうか」という疑念や不安も余分ですし、「絶対に治る」という頑なな信念みたいなものも不要なのです。

このように説明しますと愉気をする人は冷酷な気持ちにならなければいけないのかと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

愉気という行為そのものが既に相手のことを思う愛情の行為です。

これに疑いの余地はありません。

ですが、「治してあげたい」「治るかな」「絶対に治りますように」という心も愉気の世界においては雑念でしかないのです。

実際、そういう気持ちでも相手の身体との同調の妨げになるのです。

では何に向かって、何に対して愉気をするのか?

それは、相手の身体の自然性なのです。

自然の前では、余計な作為は好結果の妨げとなります。

ただ相手の身体が自然性を発揮されるように『天心』の心でもって愉気をするのです。

とはいいましても、いきなりそういう心になるということは、一般的にはなかなか難しいと思います。

「本当に自分の愉気でよいのだろうか?」「逆に悪くなったりしないかな?」というような心配は、消そうと思ってもなかなか消えるものではありません。

こうした心のあり方をコントロールするのはとても難しく、コントロールしようとすると、かえって不安や心配の念などの雑念が強くなることもあります。

そういう場合、『コントロールしよう』、などと気張らず、ただ意識を“今、在ること”に向けるのです。

そのために、重要になってくるのが呼吸なのです。

できるだけ深くて長い、乱れのない呼吸の状態をつくることによって、自身を『天心』の状態に近づけることできます。

それでも、愉気の最中に「相手の病気をなんとか治したい」という責任感で気張ってしまったり、「本当に大丈夫かしら?」という不安な気持ちでいっぱいになるかもしれません。

相手のことを思ってのことなので、それはそれで良いでしょう。

それでも、ただ手を当ててゆったりと呼吸してみてください。

長く、深い呼吸さえ保っていれば、いつのまにか消えていきます。

こちらが長く深い呼吸を保って、相手の呼吸のリズムに同調させていきますと、その深さに相手の心気が感応してきて、生命の本来のものである“元気”が互いの中に高まってきます。

これを本当の愉気と呼ぶのです。

本当の意味での愉気というのは、手当てをする人の手からただ一方的に気を送り込むといった行為ではありません。

愉気という言葉に端的にあらわれているように、これは愉しい気で相手を包むこと、あるいは互いが愉快な気で感応しあうことを意味しているのです。

ですから、手を当てるときに、自分に対してであれ、他人に対してであれ、できるだけ心を穏やかにして、とにかくゆったりと深い息を保つことを心がけてください。

さらに、野口先生の口伝の中で「整体とは、命に対する礼儀であり、魂に対する作法である」という言葉があります。

愉気をするときの心構えとして、「今、自分は生命そのものに向かい合っているのだ」という心の張りだけは、失わないように心がけましょう。


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Posted by 心羽 at 13:35Comments(0)愉気法

2010年07月22日

⑤愉気の処の選別

 異常部位が複数感じられる場合(身体に症状をもっている方には珍しいことではありませんが)、どこに手を当てるのが最も適当かといいますと、手が引かれるような処、手を当てると吸い寄せられるような感じがする処がいいです。

例えば、冷たく感じる処は停滞部位で古くからの歴史をもった異常であることが多く、そこに集中的に愉気をすることで全身が一気に変わることがあります。

ですが、その冷たい処を愉気してもなかなか変化が見られない場合もあります。

それでも根気よくずっと何時間も愉気を続ければ変わるのかもしれませんが、とりあえずはその冷たく感じ処は後回しにして、ビリビリしたり、熱く感じられたりする処(過敏な部分)から愉気をしていきますと冷たい処にも感応が起こり、改めて冷たい処に愉気をしますと気が通りやすくなって呼吸が入りやすくなっていくことがあります。

あまり最初から詳しく説明しすぎてわかりづらくなり『やっぱり愉気は特別な人にしかできないもの』と思われてしまいますと、私の『みなさんに愉気をお伝えしたい』という意図とは逆の結果になってしまいますので、詳しく説明することはこれぐらいにしまして、まずはご自分の直感を優先にして気になる処に愉気してください。

それが身体にとって一番正確です。

もし分からないことがありましたらどうぞ私に聞いてください。

ですが、何度か愉気を行なっていきますと次第に手が慣れて、手の感覚が高まってきて、しだいにこういう感覚が当たり前のものとなっていくでしょう。


相手の背中に手を当てていて、悪いところがどこかわからなくても、相手の方で触られた感触が処によって違って感じられることもあります。

そういうときは、受けている人が愉気をしてくれている人にその処を伝え、愉気してもらうとよいでしょう。


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Posted by 心羽 at 16:36Comments(0)愉気法

2010年07月07日

④愉気の時間

 愉気を続ける時間に、決められた時間というものはありません。

手を当てているところに感応が起こり、相手の息が深くなれば、そこで終わりです。

ただ一応の目安を挙げますと、一つの処に30分以上も手を当てている必要はまずありません。

愉気は決して長い時間を行なうことが良いというわけではないのです。

時間の長さよりも、愉気の集注の密度が大切なのです。

どんなに長くても10分程度、普通は1~2分といったところです。

集注の密度が高ければ、のんびりと10分間の愉気をするよりも10秒間の愉気の方が効果が勝ることもありえます。

それから、愉気の処の感応状況によっても愉気の時間が左右されます。

たとえば、軽度の打撲の場合や今怪我をしたばかりというような処は感応が早く短時間で愉気が済む場合が多いです。

ですが、怪我が身体の奥深くまで浸透しているようなひどいものであった場合、10分間くらいずっと手が離せなくなることがあり、そういう場合はしばらくの間ずっと愉気を続けることが望ましいです。

ここで必要になってくるのが愉気の手の感覚ということになります。

充分な感応を得られたときに、気が通った、自然に手が離れてしまう、という感覚を日頃からつかんでおくことが必要です。

そうしないと愉気を止めるタイミングがわからず、必要以上に愉気の時間が長くなってしまいます。

どれぐらい愉気を続ければよいのかわからないまま愉気をしていますと、愉気をする人によっては次第に不安が募ってしまい、いつの間にか相手に不安の気を送ってしまうことになります。

日頃から愉気をして、気が通って感応を得たときの手の感覚を覚えておいてください。

慣れればどなたでもできるはずです。

長時間、ヘトヘトになるほど疲れるまで愉気を続けるということは、身体にとって必ずしも親切ということではないのです。


ときに手の感覚よりも気持ちの方が先走ってしまい、「必ず治る、絶対に大丈夫」などという念を込めるかのように愉気をしよう

とする人がいますが、それは結局、心のどこかに不安があるからともいえます。

強い信念や自信をもって愉気をすることも悪いことではありませんが、身体が持っている自然のタイミングを逸することにつながりやすいので、できれば心は冷静で穏やかに、手の感覚を優先してください。

気負ったり、力まないことが良質の愉気のコツなのです。

それから、もし愉気の最中に気が散漫になって、他の事を考えてしまうようでしたら、集中力の続く範囲で行なってください。

また愉気をしていて、どうしても不安が消えないときや、どうしても気分が乗らないときは、無理をせずにそこで愉気を止めるようにしてください。


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Posted by 心羽 at 14:16Comments(0)愉気法

2010年07月07日

③自分の呼吸は深く

相手の呼吸より長く、深く、静かであることが大切です。

心静かにしてゆっくりとした呼吸を心がけてください。


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Posted by 心羽 at 14:11Comments(0)愉気法

2010年06月23日

②腕の力を抜く

 相手の身体に圧力を加えないようになるべく肩・肘・手首・手の力は抜いてください。

力を入れすぎてしまいますと手の感受性が鈍くなり、すると相手の身体の気の反応がわかりにくくなってしまったり、骨の位置や筋肉の緊張や弛緩が観察しづらくなってしまうのです。

そして、愉気を受ける側も無意識のうちに身体を緊張させてしまいます。

リラックスしているつもりでも、緊張させてしまうことがあるのです。

こちらの手と相手の身体との間に紙一枚入るか入らないかくらいの感じのイメージを持ってそっと触れてください。

また物をドンと置くように無造作に触れるのはいけません。

他人に不意に身体を触られるとドキッとするものです。

ちょっと厳しい言い方かもしれませんが、自分で気を付けていても、つい相手の身体を緊張させてしまうような触れ方をしてしまう場合、それは愉気を行なう側の心の内面の現れなのかもしれません。

つい手に力が入ってしまうのは愉気を行なう側の心や頭の中が落ち着いていない為と言えますし、無造作に手を当ててしまうのも、相手の呼吸・空気を読もうとしない心の鈍さ、強引さによるものとも言えるのです。

そうした心の乱れや相手に対する気配りの無さ、強引さは、相手の身体に、そして心にもそのまま伝わってしまいます。

それは無意識のうちのことですから、お互いに自覚のないことですが、相手との純粋な同調・共鳴を得るためには、愉気を行なう側の心が頑なであってはいけません。

不安や緊張があってはいけません。

なるべく身体の力を抜いて、心を落ち着かせ、ゆったりとした気持ちで相手の身体をよく観察しながら触れてください。


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2010年06月18日

①着手のタイミング

 相手の身体に手を当てるときは、相手が吐く息に沿って、吐く速度に合わせて触れてください。

ちょっと高度な技術の話になってしまいますが、吐く息に合わせて手を当てますと相手も緊張せずにこちらの手を受け入れてくれます。

これが逆に吸う息で手を当てますと相手にとって触覚的負担となり、相手の身体が緊張する場合があるのです。

本当は息を吸いきって、吐きに移る手前のわずかな瞬間、これを「呼吸の間隙」といいますが、そのタイミングに合わせて触れるのが本式なのです。

ですがこれは更に高度すぎますので、吐く息のタイミングを心がけてやってみてください。

とは言いましても吐く息のタイミングの着手も、そう簡単ではありません。

最初は、呼吸のタイミングを計るために愉気をする側が緊張しすぎてもいけませんので、先ずは自分がリラックスをして手を当てるということを重要視して、相手の呼吸は無視しても構いませんので、“ただそっと触る”ということを第一に意識してやってみてください。


 手を離すときは、逆には相手が息を吸うときに、吸う息の速度に合わせて、手を離すようにします。

その方が相手に緊張を与えず、自然に手を離すことができます。

それも難しいようでしたら手を離したくなったときが離し時です。

『もういいかなあ』と思ったり、面倒になってきましたらそこで手を離してください。


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Posted by 心羽 at 15:36Comments(0)愉気法

2010年06月11日

稽古②

 着手の方法は「稽古①」と一緒で、相手の吐く息の速度に合わせて、相手を緊張させることのないように左手を相手の左肩に置きます。

そして、右手を相手の身体から10cmくらい上に離した高さで背骨の上にかざすようにしながら首から肩・背中・腰・仙骨のあたりまで動かしてみてください。

このとき右手で相手の背中の気配を感じていくように手を動かしていきます。

すると、掌がビリビリと感じられる処とか、熱く感じられる処とか、冷たく感じられる処とか、掌が引き寄せられるように感じられる処とか、あるいは反発されるように感じられる処とか、風が吹いているように感じられる処とか、様々な感覚が起こるのがわかります。

反発する処以外はすべて異常部位とみます。

ちなみに、反発する処は力が充実していることを意味しています。

感じられる異常部位が1ヶ処の場合、そのまま右手を当てて愉気をします。

感じられる異常部位が2ヶ処の場合、左手と右手をそれぞれの部位に当てて愉気をします。

感じられる異常部位が2ヶ処以上の場合、直感に任せて特に気になるところに手を当てて愉気をしてください。

しばらく愉気をしていきますと他の異常部位が連動して消える場合があります。

もし愉気しても変化が見られない場合、処を変えて他の部位から愉気をしてみるとよいでしょう。

しばらく愉気を続け、その冷たい処が温かく感じられたり、また引っ張られる処の引く力が無くなって満ちた感じが得られるようになるまで愉気を続けます。


ここで改めて気が通ったときの相手の身体の変化をいくつか挙げてみましょう。

○呼吸が楽になる、深くなる  ○筋肉の硬直が弛む  ○痛みの消失または強調  ○発汗  ○お腹が動く、鳴る  ○あくびが出る

以上のような変化が見られましたら、相手の身体から手を離します。

手を離すときは、相手の呼吸のリズムを妨げないように、相手が息を吸うときに、吸う息の速度に合わせて、背中が盛り上がっていくのに合わせて、手を離していきます。


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Posted by 心羽 at 16:43Comments(0)愉気法

2010年06月05日

稽古①

 先ずは最初、すぐには手を出さずに、しばらく相手の呼吸のリズムを見て感じてください。

吸う息で背中が盛り上がり、吐く息で背中が沈むので分かると思います。

次に、相手の背中のどこでもよいので、相手が息を吐くのに合わせて、両掌を軽く触れる程度の感じでふわりと乗せます。

このとき、相手の吐く息の速度に合わせて、相手の呼吸のリズムを妨げないように注意してください。

こちら側は、肩・腕に力が入らないようにリラックスを保ちます。

両手を乗せましたら、背中の上で合掌行気をするような感覚で気を通していきます。

手の指先から腰まで息を吸い込み、腰から指先まで息を吐いていくようなイメージで呼吸を行ないます。

合掌行気の手を相手の身体に馴染ませるようなつもりで、同調させるように、しばらくこちら側の呼吸のリズムを相手の呼吸のリズムに合わせ続けます。

しかしこのとき、相手の呼吸に引きずり込まれないよう、こちら側の冷静な深い呼吸の余裕はもっていてください。

そうしてしばらく呼吸の同調を続け、気が相手の身体に通り始めてきますと、あるときを境に相手の呼吸がだんだんと変わり始めます。

そしてしだいに落ち着いた深い呼吸へと変わっていきます。

相手の呼吸が変わり、背中に汗ばんだ感じがでてきましたら、気が通ったという目安になります。

その頃には硬直していた筋肉が弛んでリラックスしているでしょう。

相手の身体から手を離すときは、やはり相手の呼吸のリズムを妨げないように、今度は相手が息を吸うときに、吸う息の速度に合わせて、背中が盛り上がっていくのに合わせて、手を離していきます。


 先入観も、何の意図もなく、ただ相手の呼吸のリズムを感じて、それに合わせて載っていく、という純粋さが必要です。

こちら側の深い呼吸は見失わず、さらに一歩進みますと相手の呼吸をリードしていくことができますが、それは相手との同調・共鳴があってのことなのです。

人生観においてもそうですが、先ずは相手を理解するということが大切です。


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Posted by 心羽 at 12:23Comments(0)愉気法

2010年05月29日

愉気の実際

 最初からプロのレベルの愉気を目指すことは難しいかもしれませんが、たとえ初心者だとしても気が通らないことは決してありません。

気持ちを澄まして手を当てることができればプロも素人も関係ないと私は思います。

基本は、悪いところに手を当てる『手当て』から始まるのです。

手を当てることでそこに気持ちを集め、感応し、治癒力を引き出し、元気の回復を促すのです。


では、人に愉気をするときの基本的な訓練法をご紹介します。

相手にはうつ伏せに寝てもらいます。

顔の向きは横でも前でもどちらでも構いません。

楽な状態でうつ伏せになってもらいます。

このときに、よく顎の下に腕を組む人がいますが、腕は足の方向へ下ろしてもらい、身体の脇に置いてもらいます。

そして、自分はうつ伏せになっている相手の左側に正座します。

相手の左側に正座で坐るというのが基本的な決まり事です。

両膝をやや広めに開いて、骨盤が後屈しないように、坐骨を立てるようなイメージで姿勢を正し、腰の安定を保てる位置を探ります。

正座が困難な方は無理をしないで、坐りやすい座り方で構いません。

愉気の最中に随時姿勢を変えても構いません。

技術者としての愉気を目指す場合、やはり正座に慣れる必要があるのですが、ここではそこまでは求めません。

楽でありながら集中できる自分なりの姿勢を探してください。


 ここでまたちょっと余談ですが、相手の左側に正座をして構えるとき、繰り返し行なっていきますと、『この人の左側に正座をするならこの位置しかない』という絶対的な位置が徐々にみえてきます。

それは愉気をされる側も安心して受けることができ、愉気する側も気を通しやすい位置で、1cmのズレもあってはならない絶対的な位置なのです。

野口先生は、整体の稽古中にお弟子さん達によく話していたようです。

相手に愉気をするとき、この位置で構えるのがベストという絶対的な位置があるのです。

これは技術者向けの話なので余談として聞き流してください。

ですが愉気に慣れ親しんでいきますと、おそらく自然と皆さんもできるようになっていくはずです。

次回は、具体的な愉気の方法です。


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Posted by 心羽 at 11:04Comments(0)愉気法

2010年05月26日

合掌行気法の世界観

 ちょっと余談ですが、この合掌行気法を鍛錬として積んでいきますと合掌行気法を行なっている間に、手が無くなってしまうような感覚、身体が無くなってしまうような感覚、浮かんでいるような感覚、宇宙全体を掌で包んでいるような感覚・・・等々、様々な感覚が起こってくるがあります。

このような説明を書きますと『なんだか怪しい』とか『危ないんじゃないか』と思われるかもしれませんが、これらの感覚は熟練者が到達する気の精神世界観ですので心配はありません。

一般の方が、このような研ぎ澄まされた感覚に至るまでご自身を追求する必要はありませんのでどうか聞き流してください。

武道の世界もそうですが、合掌行気法も突き詰めますと、自然や宇宙との一体化、という世界観があるのです。

ですが一般の方は、深く考えずに気軽に挑戦していただきたいと思います。



 身体というのは不思議なもので、ある部分に意識を集めると感覚が高まるという性質があります。

手に意識を集めて「気」の出入りを感じ取る訓練をすることで、「気」に対して敏感な手をつくることができるのです。

合掌行気法を繰り返すことで、手の感覚はしだいに鋭敏になり、誰か他の人の身体に手を近づけると、悪いところ、病んでいるところ、身体が愉気を要求しているところが感じられるようになります。

これは思い込みではなく、実際の感覚としてわかるようになります。

そして更に手の感覚が鍛えられますと、感じるよりも早く、手が悪いところに自然といくようになります。

合掌行気法は手の感覚を通して「身体の勘」をも鋭敏にしていくのです。

続いては、相手の身体の悪いところ、病んでいるところに愉気をする訓練、いわゆる「手当て」の訓練法です。


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2010年05月19日

気感の確認

 気は離れたところに通すこともできます。

左手の掌を開き、右手の人差し指と中指を立てて、その指先を左掌の中央に向けます。

右手の指先から気が出ているというイメージで、左の掌に向けて気を通します。

すると左の掌に風が当たるような、ムズムズするような感覚が生じます。

今度はそのまま右手を動かしますと、その風が当たるような感覚、ムズムズするような感覚が、右手の動きに合わせて感じられると思います。

自分の掌で感じることができましたら、今度は誰か他の人の手を借りて、掌に向けて気を通してみてください。

同様の感覚があるはずです。

*野口整体では、「気を送る」ということを、『気を通す』と表現します。


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『新潟整体室自然健康堂(野口整体)』
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Posted by 心羽 at 12:54Comments(0)愉気法

2010年05月14日

合掌行気法

 合掌行気法とは、愉気の感覚を養う基礎的な訓練法で、合掌した手に意識を集め、「気」に敏感な手を作る為のイメージを用いた呼吸法です。

合掌といいましても、手の形のことで、特別宗教的な意味はありません。

手を合掌の形にすると集中しやすく、雑念が浮かびにくくなるのです。


正座で座ります。(正坐の難しい方はイスでも結構です)。

背筋を伸ばし、軽く顎を引いて、手首・肘・肩の力を抜いて、上体の力を抜きます。

イメージとして、上体の重さが下腹(腰)にストンと納まる感じです。

眉間にシワを寄せたりなど、顔を緊張させないようにしてください。

そして、息を整え、心を穏やかにします。

顔の前で両手を合掌し、その合掌した手を肩に力が入らない、みぞおちの弛む楽な高さまで下ろしていきます。

合掌を構えるとき、その姿勢をずっと維持していても疲れない高さ、腕や肘の無駄な力が抜けて、身体全体がまとまりやすくなるような高さがありますので、しっくりとくる合掌の位置を探ってみてください。

両掌の間を2,3cmほど離します。

薄目で両掌の間を見つめます。

すると左右の掌が互いにだんだんと近づいてきます。

あるいは、吸う息によって左右の掌が互いにだんだんと近づいてきます。

少しでも互いの掌が触れましたら、後は意識的に掌全体を合わせて合掌の形にしてください。

左右の掌はあまりピッタリとは合わせ過ぎず、イメージとして紙1枚が通るか通らないかくらいの間を開けて、両掌を合わせます。

その方が、手と手をピッタリと合わせるよりも気感をつかみやすく集中しやすくなります。

ここで目を閉じます。

漏気法を行ないます(漏気法は合掌行気法の始めと終わりにひとつの区切りとして行ないます)

両掌に意識を集め、掌で呼吸を繰り返します。

掌で息を吸い込んで、掌で吐いていきます。

そのつもりになって呼吸をします。

合掌した指先から腰(お腹の下:丹田(へそと恥骨の中間))まで管が通っているようなイメージを持ち、その中に息を吸い込んで、そして息を吐いていきます。

実際には鼻から息を吸い込んで、鼻から息を吐いていきます。

呼吸は、普段の呼吸よりも少しゆっくりとした速度で行ないます。

そのまましばらく呼吸を続けます。

すると掌にいろんな感覚が起こってきます。

温かい感じ、ピリピリとした感じ、モヤモヤとした感じ、掌に蟻が這うような感じ、磁石の同極同士を近づけたときに起こるような反発するような感じ、逆に引き寄せ合うような感じなど、いつもには感じられない感覚が掌に生じます。

それが気の感覚です。

その感覚にしばらく意識を集めながら呼吸を続けます。

合掌行気法を終えるときはまた漏気法を行なって、片目ずつ眼を開けながら左右の掌を離して下ろし、静かに鼻から息を吐いてください。

いきなり両目を開けますと軽いめまいを起こすことがあるので、年の為に片目ずつ開けるようにしてください。

これが合掌行気法です。

1日に5~10分間くらい続けると良いでしょう。

合掌行気法の訓練をしばらく続けますと手の薄皮が脱皮したように剥けることがあります。

そうして徐々に敏感な掌に近づいていきます。

また合掌行気法を行ないますと、手の感覚が敏感になるだけでなく、全身の感覚も敏感になります。

さらに、左右の脳の働きが統合されて、頭の働きも良くなります。


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Posted by 心羽 at 17:01Comments(0)愉気法

2010年05月12日

愉気とは

 野口整体では、相手の身体に手を当てて気を送ることを「愉気(ゆき)」と呼んでいます。

愉気は特別な人にしかできないものとよく思われがちなのですが、決してそういうことはありません。

ちょっとした訓練さえすれば誰にでもできるもので、実は皆さんも普段からも無意識にやっていたりするのです。

頭が痛むと自然と頭に手を当てます。

お腹に痛みがあれば無意識にお腹に手を当てます。

身体のどこかをぶつけても、思わずそのぶつけた処に手を当て、押さえ、さすったりします。

痛みに限らず、身体のどこかに異常感が生じれば、自然とその処に手を当てるものです。

無意識についその処に手を当ててしまう、もともと人間には身体の悪い部位に思わず手がいくという本能があるのです。

野口整体の創始者である野口先生は、著書「愉気法」で愉気のことを「人間が考えてつくったものではなく、本能」と書いていますが、誰しもが、肩が痛ければ肩に、腰が痛ければ腰に、お腹が痛ければお腹に、自然に手を当てた経験があると思います。

手を当てる行為とは人間の本能として備わったものなのです。

本能的に自然に手を当てたことで、なんとなく痛みが軽減したという経験のある方はたくさんいらっしゃると思います。

また、悪いところに手がいくという本能は他者にも働きます。

小さい子供が転んで頭を打ったりして、お母さんがその打った処に手を当てて、なでなでしてさすってあげ、それまで泣いていた子供がしだいに元気を取り戻していく光景をよく目にすることがありますが、原点はそれと同じことなのです。

ですから、愉気をあまり難しく考えないことです。

普段から誰でも日常的にやっていることなのです。

愉気はそれを技術化したにすぎません。

決して特別な能力や、専門の人にしか出来ないというものではありません。

また、手を当てたからといって、自分のエネルギーみたいなものが減ってしまって身体がフラフラになってしまうというものでもありません。

とても自然なもので、日々の暮らしの中で日常的に行なうことができるものです。


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